夕張岳 (1,668m)

 2009年7月 3日

 人など入ることのない遠い遠い昔からずっと生き続けてきた命「夕張岳の高山植物」・・・・・

 自然という宝物を後世へ伝える大切な行為はあなたのやさしい思いやりから!



 2005年以来久しぶりの夕張岳です。今回は花の時期に合して訪れたのだが・・・・・

 今年は天気が悪く・・・・しかし猛烈な暑さに遭うこともなく花の観賞にはよかったかも。
(夕張岳コースタイム)


 ■夕張岳の特徴

  夕張山地は今から約1億年以上前はまだ海底でした。
  それが中生代白亜紀末から新生代第三紀(約1億年前から約一千万年前)にかけて大陸プレートの沈み込みなどの大規模な造山運動によって、
  海底が盛り上がって日高山脈や夕張山地が生まれ、地殻の下のマントルが地殻に筋状の裂け目を作ってはみ出して夕張岳が出来たといわれて
  います。

  この時マントル(カンラン岩)に水が加わって上昇して出来たのが蛇紋岩で、夕張岳一帯は日本最大の分布地帯になっています。また、地殻変動
  の際溶岩の固まったものや堆積岩、地殻中の巨大な力で押し固められた変成岩などもろい岩や硬い岩なども一緒に押し上げられて地表に出て
  きた結果、夕張岳周辺は世界でも珍しい「蛇紋岩メランジュ帯」となりました。

  蛇紋岩が柔らかな岩石であるため、風雨による浸食作用で山の上に平原ができ、その平原に突き出して残ったのが「男岩」「ガマ岩」「釣鐘岩」など
  の硬い変成岩です。これをノッカー(突起物)地形といいます。中でも最大のノッカーは夕張岳そのものなのです。

  高山植物は特定の厳しい環境に耐えて、地球の氷河時代から生き残ってきた遺存種といえます。
  その中でも夕張岳の高山植物は、こうした蛇紋岩質というさらに生育条件の厳しい特殊な土壌でけなげに生きているのです。 



 夕張岳 高山植物の特徴

  夕張岳は、芦別岳とともに夕張山地の主峰をなす山で、「花の名山」として広く知られています。
  ユウパリミセバヤ、ユウパリリンドウ、ユウバリソウ、ユウパリコザクラ、など「ユウパリ」「ユウバリ」を冠した高山植物が10余種を数え、その冠が
  無くても珍しい植物が数多く生育している貴重な山です。


  夕張岳では、北方系と南方系の高山植物が両方混ざり合って群落を作っています。北海道を代表する山岳の高山植物がほぼ見られ、さらに
  夕張岳固有の植物が加わることで他では見られないほどの豊富で多様な様相を呈しています。


  夕張岳に固有の植物が多い理由は、夕張岳一帯が「蛇紋岩」というマグネシウムや重金属を多く含んだ超塩基性の岩石が露出した特殊な地形
  だからです。



※ 写真をクリックすれば入場できます



            千歳市内から見る「夕張岳」

                              



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